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千葉市生活衛生課に聴く(7月25日15時~)

さて、7月25日のヒアリング報告⑤です。
あらかじめ千葉市の生活衛生課に提出した質問事項は以下の3点です。
農産物・海産物の流通段階での放射性物質の検査要領
① 検査品目の選定方法と検査体制
② 農産物・海産物・畜産物・その他の加工食品など
③ 放射能が検出された品目について他の自治体との連携は?

【川本】放射能の汚染の影響は、今、畜産関係で問題になっている。4月の後半に県の方にどうかと話を聞いた。今日の午前中は、県の農林水産部で 農産物、畜産物、牧草などに関しての県としての対応と環境部の大気・水の関係からヒアリングをしてきた。午後1番に東電に行き、計画停電のあり方に対してどうかと、意見交換と要望をしてきた。
 午後2時から 市の危機管理課の体制について聞いてきた。
市として、流通段階での食品の検査の実際はどうなのか 現状をうかがいたい。

【市担当】3月11日の原発事故を境に放射線による汚染が全国的に広がっており、4月4日に厚生労働省から自治体に対して『農畜水産物等の放射性物質検査について』の通知が出た。生活衛生課は 食中毒が起きたり、違反食品が出たり、基本的には『食品衛生法』に基づいて検査をしている。放射性の汚染についても基本的には同じで、国の法律である『食品衛生法』に基づいて、法律違反になるかならないかという観点で行う。今回の放射線については『農畜水産物等の放射性物質検査について』と『食品衛生法』に基づいて検査している。
 質問について
農産物・海産物の流通段階での放射性物質の検査要領は、『農畜水産物等の放射性物質検査について』に基づいて実施。
健康部の生活衛生課であるが、健康部の所管としては千葉市内に流通する食品の検査を担当している。
検査品目の選定方法と検査体制について
千葉市は品目を選んでいる。体制は『農畜水産物等の放射性物質検査について』に基づいて実施している。
『農畜水産物等の放射性物質検査について』より、
指標とすべき品目(重点的にチェックする品目)
葉物(ホウレンソウ・シュンギク・カキナ・ミズナ・コマツナ)。降下した放射能がつきやすい食品。 
5月16日から市内に流通する食品の検査を始めている。選定の仕方は、国の通知に基づいた葉物を中心に選定。根菜類も含む(ニンジン・ジャガイモ・キャベツなど)。
乳については、6月20日から検査をしている。
国が別途指示する品目は、全国の状況から国より別途通知が出される。
他の対象品目
生産状況を勘案した主要農産物は、自治体、場所によって主要農産物、時期的なものもある。
市場に流通している食品でかつ生産者情報が明らかなものとは、万が一、レベルが超えたものが出たときに追っていける。生産者が特定できるものが原則。
国が別途指示する品目は、全国の状況から国より別途通知が出される。
国からの通知や HPなどから他の自治体の状況がわかるので、それらを勘案しながら品目を選定。

対象品目

【市民】国から指示された品目はあるか?
【市】千葉市独自はない。7月20日付で出された『放射性セシウムに汚染された稲ワラを給与された牛等の取り扱いについて』の中で「流通途上で該当している牛の肉が発見された場合は、販売を中止させ、優先的に放射性物質濃度の検査を実施する」とある。
【市】4月4日付の『農畜水産物等の放射性物質検査について』の指標とすべき品目にないものでは、シイタケ。福島県以外でモニタリングなどの中で異常値が見つかったものは茶。いろいろな情報から新しく追加して検査実施。
【市】国の通知等に基づいて、品目を選定している。優先順位もあるので、そういう点から選定している。

【市民】国からの通知以外で千葉市の産地の固有なものの追加は?
【市】千葉市独自で検査した品目はある。ニンジン、キャベツなど。5月16日から毎週1回検査してHPに載せている。

【市】4月4日付の厚生労働省からの『地方自治体の検査計画について』の対象自治体に千葉市は入っていない。主要農産物については、千葉県は農業生産物第3位で品目も多い。その中で放射性物質の影響を受けやすい葉物を中心の検査している。千葉市は流通段階での検査を実施。

市の流通段階検査

【川本】当初は流通関係のものは千葉市ではやらないという姿勢であったが、それを変えたという理由は?
【市】4月4日当時、都道府県単位でやっていた。生産段階(生産地)で100%チェックできれば 流通では検出しないというスタイルでやってきた。出荷自粛されているもの中で3品目、市で流通しているというものがあった。4月年度当初は行政でも民間でも放射能物質の検査機器の整備が充実されてなかったが、検査機器が整備されてきたこともある。千葉市でも流通段階の検査をしようということで5月16日にスタートした。
【川本】流通段階で何を選択するのか、選択の仕方は?
【市】選定は 先ほどのような目線(様々な情報から追加)、牛肉などは国から通知が出ているが、当初は葉物だけということであったが、どんどん変わってきている。最初はヨウ素が降り注いでいたが、ヨウ素が半減期を過ぎ、今はセシウムが中心になっている。経過とともに変化をしているので、国からの通知や 他の自治体からの情報を踏まえて品目を選定している。
【川本】牛肉はどうか?
【市】先週の週末ぐらいから(国の通知は7月20日)各自治体から千葉市に出荷されているという情報が入った。福島にいる牛が屠場で解体され、検査をされ、屠場に併設されている市場でセリにかけられ、全国に回る。たとえば、セリで落とされ、東京都に行った肉牛が千葉に入ると、東京都から千葉に出荷された連絡が入る。千葉の施設に行くと、東京の別の業者に行ったということが多々ある。卸業者が2次、3次~5次とたくさん入っている。伝票だけという場合もあるのか、千葉に来た肉牛がすぐに東京に行ったというケースもある。それが次の日、千葉に来ていることもある。さらに枝分かれして解体された肉がブロックの5キロぐらいになって千葉市内に出荷されているということがある。

検査機関、検査機器

【川本】牛以外の豚・鶏はどうか。
【市】優先順位ではないか。現在、千葉市の検査機関がなく、(財)日本食品分析センターの多摩研究所に依頼をしている。
【川本】これは千葉市の保健所で分析機器を購入して体制を整備するということは今後はどうか。
【市】千葉市の保健所の食品安全課が実際千葉市内に流通している食品の検体を(財)日本食品分析センターの多摩研究所に月曜日に宅配便で送って、金曜日には検査結果を受け取る。検査する場所が全国にあまりない。分析機械は3,000万~4,000万円ぐらいして、重さが2tぐらいするので、周辺整備も必要になる。
たとえば、保健所で検体を採取して、検査機関に搬送する。保健所の建物5階の1階に環境保健研究所(千葉市の検査機関)がある。検査機器を整備する場合は環境保健研究所になる。所管は健康企画課になる。検体を生活衛生課で採取して、健康企画課所管の環境保健研究所に依頼することになる。横の連携はする。
8月中に機器を購入する整備を進めている。精密検査までできる機械は、莫大な資金がいる。現在、1検体を委託するにはそれほどかからない。8月中に整備を進めているのはシンチレーションサーベイメーター(スクーリニング検査)で、精密検査はできないが、外に持ち出せる検査機器で(100万円以下)、精密検査はできないが 第一次段階の検査をして、基準値以内ならOKで、基準値をオーバーした場合は、外部の検査機関に精密検査を依頼することを検討中。

検体

【市民】検査している検体は、どこからか?
【市】保健所が市場・スーパーで抜き取り検査をする。
【市民】何件ぐらい
【市】週1回、3検体(3品目)。5月16日から継続で、先週で10週、30検体(30品目)になる。 HPに掲載中。

牛肉

【市民】検査した結果大丈夫だという牛はどういうのか?
【市】おそらく全頭検査をしたから
【市民】検査をしているものは大丈夫か。
【市】1頭のみ生体のまま検査して、大丈夫なら一緒に他の牛も出す。途中で検査したら高い値が出た。何が問題か調べて、農林水産省の職員を派遣して調査したら、使用してはいけないことになっていた 野ざらしにして乾燥させていた稲ワラが使われていた。その稲ワラに放射性セシウムが降り注いでいた。流通が相当進んでいるのが今の実態。
【市民】牛の場合は、体が大きいのでセシウム等のデータ数も直接カウントするのは難しい。サーベイメーターでしても きちんと拾えない。それをきちんと測るのがシンチレーションカウンターで、セシウムのエネルギーをきちんと管理できる。
稲ワラについては、保障の問題が先にきちんと解決されて、餌が他にきちんと供給されていればならなかった。
【市民】実際、牛の千葉市・千葉県の状況はどうか。
【市】千葉市の場合は、23日以降は今調査中。7月23日現在、千葉市内で消費された牛肉259.08㎏。
【市民】疑いのあるものか?
【市】含めて。
  1週間ぐらい前に国が新聞に個別識別番号の一覧を出した。7月20日付の国の通知もあり、在庫が残っている分は基本的に検査をすることになっている。検査結果が基準値以下なら国に通知し、国は個別識別番号を削除する。千葉市内の店などに個別識別番号に載っている牛があったら。検査をし、基準値以下ならその肉は大丈夫と。残っていないと検査ができない。4月に東京で出荷されたという情報が来るが 消費されてしまったものもある。
【市民】ブロックのままなら冷凍で残っている場合もある。できるだけ流通段階の時間を少なくして売ろうとしているので、早く消費されている。
【市】千葉市内に流通している牛肉100%どうかというと疑わしいものもある。肉の流通があちこち巡るので時間・手間がかかる。他の自治体と情報を交換しながら 土日もやっている。

豚、鶏

【市民】豚はどう考えているか
【市】優先順位になる
【市民】気にはなるがやれていないという状況か。
【市】そうです
【市】検査は簡単にできると思うところもあるが、検体は2㎏以上要る。
【市民】県は、豚と牛の飼料は全く違うと言う。豚は輸入のトウモロコシなどの複合飼料で、港に着いたらパイプで空気に触れないで供給できると言う。現場の第一線である市が共有する機関の中で何ができるのかなと思う。  野菜の話で、市民農園は路地で、家族以外に近隣に配ることもあるが、そこはチェックからもれているのではないか。市民農園の貸し出しを奨励している。
【市】市民農園は所管が違う。
【市民】検体は全部2㎏必要か?
【市】そうだ。
【市民】検査に使うのは1㎏か?
【市】実際には再検査をするので余分に必要(1回検査して、おかしいと2回するので)
  豚肉は出自が難しい。
【市】牛だけ、個体識別番号があるので、履歴が全部わかるが、豚・鶏はそれがない。

産地との連携

【市民】流通しているものを時々抜き打ちでチェックをして安全を確実に確認できるシステムにしないと膨大な経費がかかる。
【市】国の考え方は、生産段階で抑えなさいと、そこで100%抑えれば流通してこない。
【市民】どこでも縦割りだから、「うちと違う管轄がやっている」で済まされる。上で管理してくれないと困るということをもっと強くいってほしい。市ぐらいからよくならないと、県もよくならない。内部でもそういう声をしっかりあげてもらいたい。自らのリスクは自らのところで少なくするように働きかけをするというのが基本だと思う。
【市民】検査機器は福島では少ないのでは。
【市】原発交付金で検査機器を購入している。原発のあるところには必ずある。茨城は4台持っている。国からの交付金で持っている所と、自治体で持っている所があり、全国で40か所ぐらいある。
【市民】農産の産地で検査するものと、流通の段階で抜き打ちで検査するのとの連携は?
【市】連携は取れません。
【市民】自前で検査しているところもあるか。
【市】ある。都道府県で温度差が大きい。
【市民】両方協力してやっていけば、消費者は安心する。