「エネルギー政策を考える千葉市民の会」再要望(11月25日付)と千葉市回答(1月11日付)の対照表
「エネルギー政策を考える千葉市民の会」要望 2011年11月25日 |
千葉市回答 2012年1月11日 |
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千葉の子どもたちを放射線被曝から守るための再要望書 2011年9月9日付けの当会の「千葉の子どもたちを放射線被曝から守るための要望書」に対する10月21日付け回答書を受領しました。回答いただいたことに感謝申し上げます。 その後、回答内容について11月16日、21日に関係課と個別に意見交換させていただきました。 ご回答内容、意見交換内容を踏まえて、本再要望書を提出させていただきます。 以下の要望内容について真摯にご検討いただき、施策に反映くださいますようお願い申し上げます。 |
日頃より市政に関しましては、格別のご理解、ご協力を賜り厚くお礼申し上げます。 さて、平成23年11月25日付けで提出されました要望書につきまして、下記のとおり回答いたします。 なお、本件につきましては、回答作成に期間を要し、回答が遅くなりましたことをお詫び申し上げます。 |
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1.千葉市として、年間被曝量(外部被曝+内部被曝。但し自然放射線を除く)の基準限度について、 ①一般人は法令で定める1ミリシーベルトとすること。 ②子どもは、細胞分裂が活発で放射線感受性が一般人(30歳前後)の2~4倍高いことから、より厳しく(0.25~0.5ミリシーベルト/年)すること。 とし、市民の生命、健康に守る立場から、この基準限度に納まるよう、諸施策を遂行することを市の基本方針とすること。 2. 上記1の基本方針に従い、とりわけ子どもの健康を守る立場から空間線量を再評価すること。 前回要望書への回答で、1回目の測定が「0.09~0.24マイクロシーベルト毎時の範囲となっており、放射線の専門家から値のばらつきは人体への影響に差が出るほどの違いはないこと、子どもたちの外遊びを制限するような値ではないというコメントをいただいております」とあるが、3.11以前を0.07マイクロシーベルトとすると、事故後に上昇したままの空間線量は、年間250日×4時間/日×(0.24-0.07)マイクロシーベルト/時=170マイクロシーベルト/年となる。 事故後半年以上経過した現在、この上昇したままの線量分は原発事故で放出された放射性セシウムによるものと考えられる。 これに呼吸、水、食物などを通じての内部被曝分を加えると必ずしも安全とは言い切れない。専門家コメントの妥当性と共に、空間線量の再評価を求める。 4.(4)千葉市内で標準的な生活を送る子どもの1日の生活パターンを設定し、被曝量(外部被曝+内部被曝)が上記1の基準限度に納まっていることを試算し、その結果を公表すること。 |
1.2.4(4)について 年間被ばく量につきましては、市独自の基準を定める予定はありませんが、今回の原発事故に伴う追加被ばく線量(自然放射線による被ばく及び医療被ばくを除いた線量)について、国が目指している年間1ミリシーベルト以下となるよう、適宜対応してまいりたいと考えております。市内の平均的な放射線量は、6月には0.09~0.24マイクロシーベルト毎時でしたが、8月以降は0.05~0.15マイクロシーベルト毎時の範囲となっており、追加被ばく線量は年間1ミリシーベルト以下の地域であると考えられます。 なお、保育所・幼稚園等の施設における放射性物質がたまりやすいとされる場所等については、これまでも環境整備の一環として清掃等を行うなどの対応を図っており、今後も継続して取り組んでまいります。 |
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3.食品の放射性物質の検査について、分析器、分析環境の見直しを行うこと。 市内の流通食品や給食食材の放射線量測定で、検査機器としてNaIシンチレーションサーベイメータTCS-172B(日立アロカメディカル(株)社製)が使用されている。しかし、これは暫定基準値を超えているかどうかを判断するための「簡易測定」(検出下限値:67.8ベクレル/kg)に過ぎない。 上記1の立場で、食品の放射線管理をするには、Ge半導体方式の分析機を使用し、かつ周囲の放射線の影響を避けて測定する必要がある。 以下に記すように食品を暫定基準値で管理した場合、年間1ミリシーベルトを厳守できない可能性がある。分析器、分析環境の抜本的な見直しを求める。 注)暫定基準値の問題点 コメについて政府が定めた暫定規制値500ベクレル/kgはコメだけで基準限度をオーバーする可能性がある。 500×0.164×0.016×365÷1000=0.479mSv 日本人(成人)の平均的なお米の摂取量は、通常で0.164Kgと言われる。 500×1.4×0.016×365÷1000=4.088mSv 日本人(成人)の平均的な食品の摂取量は、通常で1.4Kgと言われる。 体内被曝、対外被曝をあわせて1mSvを守ろうとすれば、かなり厳しく制御することが必要となる。すべての食品が汚染されているわけではないが、食品以外の放射性物質の摂取やそのほかの被曝も考えられる。お米の規制値が500ベクレル/Kgではお米を食べる量の多い人ではお米だけでも基準限度をオーバーする可能性がある。 こどもたちの給食はより厳密に測定されなければならない。10ベクレル未満まで測定できることが望ましい。 |
3について 本市で行っているスクリーニング検査の結果については、放射線が検出された検体(107検体中5検体)は全て、検出されなかった検体についても一定の頻度でゲルマニウム半導体検出器による精度の検証を行っています。 これまでに、放射線が検出された検体をゲルマニウム半導体検出器により検証したところ、放射性セシウムに換算し公表している推計値(67.8ベクレル/kg)を超えるものはありませんでした。また、検出されなかった検体についても、同様の検査で放射性物質は検出されませんでした。 現在、国においては暫定規制値の見直しが進められており、新たに、平成24年4月に試行される予定の規制値が大幅に引き下げられることが見込まれています。 今後、その対応には、スクリーニング検査に変わりゲルマニウム半導体検出器による検査が求められる可能性もあるため、新たな規制値を踏まえた上で、費用対効果も考えながら、外部委託による検査も含めて検討していきます。 |
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4.子どもの内部被曝状況を確認する (1)尿検査体制を整備すること。 市は回答で「現時点で、千葉市内に流通している食品などに含まれる放射性物質の濃度については食品衛生法上の暫定規制値を下回っていることから、内部被曝状況の確認のための尿検査を実施する必要はないと考えています。」としたが、 食品衛生法上の暫定規制値を下回っているから体内被曝の心配がないと言う理論は成り立たない。前回要望書及び前項で指摘した通り、「主食のコメについて政府が定めた暫定規制値500ベクレル/kgはコメだけで基準限度をオーバーする可能性」があり、他の暫定規制値以下の食材の摂取が重なれば、放射線に対する感受性が高い幼児・児童にはけっして安全とは言い切れない。再度検討を求める。 |
4(1)について 食品の放射性物質は、5月から実施している市内流通食品、10月から実施している学校給食食材及び保育所給食食材の放射性物質検査において、食品衛生法上の暫定基準値を下回っており、12月5日から行っている学校、保育所で提供した給食1食分の検査においても放射性物質は検出されておりません。 また、子どもの内部被ばく状況を確認するためには、検査方法や対象者等について国が統一的に基準を示すべきものと考えております。統一的な基準がない現時点において尿検査を実施することは難しいと考えております。 |
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(2)「緊急時迅速放射能影響予測システム」(SPEEDI)のヨウ素131の空気中の濃度分布の試算結果と実測値から、過去の内部被曝値を推定すること。 市は回答で、「福島県が(独)放射線医学総合研究所の協力を得て行った県民健康管理調査の先行実施区域(浪江町、飯館村等)での結果は、全員が健康に影響が及ぶ数値ではなかったことから、放射線量が福島県より大幅に低い東京近郊においては、内部被曝値を推定する必要性は低いと考えております。」としたが、福島県の調査の実施時期が遅過ぎており、適正な時期に行われた検査とは言えないと考える。 「緊急時迅速放射能影響予測システム」(SPEEDI)のヨウ素131の空気中の濃度分布の試算結果や実測値の蓄積もあるので、過去の時点での内部被曝値を推定することは重要であると思われる。再度検討を求める。 |
4(2)について 福島県は、(独)放射線医学総合研究所の協力により、震災後の行動記録調査による被ばく線量の推計評価を含む、県民健康管理調査を行っています。この調査における、先行実施区域(浪江町、飯館村等)の結果では、調査者全員について健康に影響が及ぶ数値ではありませんでした。 また、SPEEDYの試算を受けて原子力安全委員会が3月26日~30日にいわき市等で行った、0歳から15歳までの1050人の小児甲状腺被ばく調査でも、スクリーニングレベル0.2マイクロシーベルト毎時を超えるものはありませんでした。 以上を踏まえ、放射線量が福島県より大幅に低い東京近郊においては、内部被曝値を推定する必要性は低いと考えております。 |
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(3)実際に子どもが食べる給食一食分の放射性セシウムの量を測り数値を毎日公表すること。 |
4(3)について 児童生徒の健康管理に役立てるとともに給食の安全性を確認するため、実際に児童生徒に提供した給食の放射性物質の精密検査を12月から実施しております。これにつきましては、市立小学校・特別支援学校、中学校(給食センター)及び保育所の給食1食分(提供食)を、原則として1週間(5日分)ごとにまとめて放射性物質検査を実施し、翌週ホームページに掲載しております。 なお、小学校、給食センター、保育所ともに1か所については対象校・所を固定し、継続して検査を実施し、内部被ばく量の積算を把握するとともに、その他の学校等を対象とした検査を小学校3校、給食センター1か所、保育所2~3施設、1週間交替で実施しております。 |
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5.放射性物質に汚染された災害廃棄物の焼却処理について 意見交換で担当課は、「清掃工場の排ガス処理装置のバグフィルターの粉塵の除去効率が99.71%であり、排ガス、採取処分場の排水の放射能測定結果は測定器の検出限界値以下を示す「不検出」であり、外部への放射性物質の漏洩はない」とした。 しかし、焼却灰には数百~数千ベクレル/kgの放射性セシウムが確認されていることから、ガス化した放射性物質や除去できなかった粉塵(0.29%分)に付着した放射性物質は煙突から大気中に放出されているものと考えられる。 いただいた平成22年度の3清掃工場の稼動実績によると排ガス量は17億6520万㎥N/年である。 そこで、 ① 3清掃工場のバグフィルターの詳細仕様、型番 ② バグフィルター前の放射性セシウム濃度の測定値 ③ 測定器の仕様、検出限界値 ④ 検出値以下の場合、煙突から1年間に放出される放射性物質の最大量と拡散範 囲 ⑤ 各清掃工場、最終処分場の平成22年度の放流水量 について、情報の提供を求める。 |
5.について ①~⑤の各仕様、数値は以下のとおりです。 ① 3清掃工場のバグフィルタの詳細仕様、型番
②バグフィルタ前の放射性セシウム濃度の測定値 測定をしておりませんので、データはありません。 ③測定器の仕様、検出限界値 Ge半導体検出器 GR2021 ISOCS/La b SOCS CANBERRA製 検出限界値については、測定装置の性能によるものでなく、試料ごとに変化します。 これまでの結果では、主に0.5Bq/㎥未満、1Bq/㎥未満であります。 ④検出値以下の場合、煙突から1年間に放出される放射性物質の最大量と拡散範囲 ご指摘の除去できなかった粉塵(新港の例では0.29%)に付着した放射性物質が煙突から大気中に放出しているのではないかとのことに対しては、以下のように考えています。また、拡散範囲については放射能に係る環境アセス等のデータがないのでわかりません。 1)本年度に測定を行った、清掃工場煙突出口のばいじん濃度は0.001未満~0.005未満(g/㎥N)の範囲にあります。単純に、平成22年度の排ガス量から、市内清掃工場から排出されるばいじん量を想定すると、1765200~8826000gとなりますが、これに放射能検出値以下の数値を乗じても正確な数値とはなりません。 2)災害廃棄物安全評価検討会試料((独)国立環境研究所)による放射能の除去率は、バグフィルタが99.99%、電気集塵器が99.47%の実証結果が示されており、機器の集じん効率より高い効率となっていることから、煙突出口では検出限界値よりもさらに低い数値であることが推定されます。また、一般的に、清掃工場の煙突から排出される排ガスは十万倍以上に拡散されるため、現状では周辺環境に及ぼす影響はないと考えており、市内各所で測定されている結果でも問題となっておりません。 ⑤各清掃工場、最終処分場の平成22年度の放流水量 ・北清掃工場 750㎥ ・北谷津清掃工場 9301㎥ ・新内陸最終処分場 10392㎥ (お問い合わせ) 1・2・4(4)に関すること 環境局環境保全部環境規制課 043-245-5189 3 に関すること 保健福祉局健康部生活衛生課 043-245-5213 4(1)に関すること 保健福祉局健康部健康支援課 043-238-9925 4(2)に関すること 総務局市長公室危機管理課 043-245-5151 4(3)に関すること (学校給食) 教育委員会学校教育部保健体育課 043-245-5945 (保育園給食) こども未来局こども未来部保育運営課 043-245-5894 5に関すること 環境局資源循環部施設課 043-245-5268 陳情書(要望書)の制度等に関すること 総合政策市民自治推進部広聴課 043-245-5298 |